そもそも過給機は、空気の薄い上空でよりたくさんの空気を取り込むために開発されました。
パワーをあげるために車にも採用されるようになったのです。
車に搭載されている過給機は主にターボチャージャーとスーパーチャージャーで、略称でターボ、スーチャーと呼ばれています。
この二種類の過給機の違いと仕組みをイラストを使いご紹介していきます。
目次
過給機とは
![2基のターボチャージャー](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2020/08/46b0c89d1f260c43bd4e43215473ff95-1024x683.jpg)
自然吸気エンジン
自然吸気エンジン(以下、NA)では、大気の気圧差を利用してエンジンのシリンダー内に吸気させます。
そのため、シリンダーの大きさ(排気量)以上に空気を取り込むことができません。
過給機付きエンジン
NAエンジン以上に多くの空気を送り込むための装置が過給機です。
空気を圧縮させたり、強制的にシリンダー内に空気を送り込むことができます。
圧縮された高温高圧の空気は、インタークーラーを経由することで温度が下がり、より多くの高密度な酸素を送り込めます。
これにより、排気量以上の混合気をシリンダー内で爆発させることができ、エンジンのパワーがあがるということだ。
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![ターボチャージャーの仕組み](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2021/04/B50F95E1-4C7D-4C6B-8E2E-0C9BB687091D-1024x683.jpg)
過給機の動力
排気ガスを利用してタービンを回すことで、コンプレッサーも回転する仕組みです。(排気ガス式過給機)
エンジンの回転数が上がると排気ガスが増え流れも速くなり、結果的にタービンの回転数も上がります。
同時にコンプレッサーも高速で回りはじめ、よりたくさんの空気を吸気し圧縮します。
この圧縮度合いのことをブースト圧や過給圧という。
ブースト圧を制御
このようなサイクルが無制限に続くとパワーが上がり過ぎノッキング(異常燃焼)が生じたりエンジン壊れてしまうため、アクチュエーターやウエストゲートという制御システムが付いています。
最も一般的なのはアクチュエーター式でコンプレッサー圧力で作動します。
一定のブースト圧になるとバルブが開きタービンへの圧力を逃がすことで、回転数を抑制するものだ。
![](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2020/09/a34b59a5a022e293da56544a75645eae-300x300.jpeg)
社外のブーストコントローラーとはこのバルブが開く圧力をコントロールするものです。
ターボの種類とメリット・デメリット
![ターボチャージャーの断面](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2020/08/3b30cfcba518655fc4e8de441b57bdea-1024x683.jpg)
ターボの種類
車ではシングルターボの他に、主にツインターボやシーケンシャルターボというものも存在する。
排気量に応じて効果を発揮させるためや、ターボラグを少なくするために配置を工夫しているのです。
ー ツインターボ ー
ツインターボとは、同じ大きさのターボを二基搭載しV6やV8など吸気用のインテークが二つあるエンジンなどに使われています。
排気側も大きくは二つに分かれており、それぞれにタービンがあるのです。
ー シーケンシャルターボ ー
ターボを直列と並列に配置するレイアウトがあります。
直列式では低速回転時に小型ターボが作動してタイムラグを少なくし、中高速回転時に排気側のバイパスが切り替わり大型ターボで過給する仕組みです。
並列式では、低速回転時に一基のターボ(プライマリー)が作動し、中高速回転時にはもう一基のターボ(セカンダリー)と二基が同時に過給する仕組みです。
ターボのメリット
小排気量のエンジンでも大排気量なみのエンジン出力とトルクをだすことができます。
車体の軽量化、自動車税が安くなるというメリットもある。
ターボのデメリット
ターボ特有のデメリットとしてターボラグがあげられます。
排気圧を利用しているため、アクセルを踏んでブーストがかかるのに若干の時間がかかるのです。
また、燃料も多く消費するため燃費が悪くなる傾向があります。
スポンサーリンクスーパーチャージャー車の仕組み
![電磁クラッチ制御のスーパーチャージャーの仕組み](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2021/04/8A43D55D-D538-407E-9014-2EF54757DE58-1024x683.jpg)
![バイパスバルブ制御のスーパーチャージャーの仕組み](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2021/04/CB4D6904-0C63-41F5-BAF9-AF6A28482110-1024x683.jpg)
![スーパーチャージャーの仕組み](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2021/04/CA947DF8-3701-4207-AE5E-1799DC84FEAE-1024x683.jpg)
過給機の動力と制御
エンジンからの動力を、ベルトやギヤを介してスーパーチャージャーに伝え駆動させます。(機械式過給機)
これにより空気をコンプレッサー内で圧縮したり、圧力をかけてエンジンのシリンダー内に強制的に空気を送り込むことができます。
アクセルオフ時でもエンジンの回転で圧縮し続けてしまうため、それを制御する仕組みもあります。
リリーフバルブや電磁クラッチ制御、バイパスバルブ制御といわれるものです。
電磁クラッチ制御
電磁クラッチを繋いだり切ったりしスーパーチャージャーが駆動するタイミングを制御することができます。
走行状況によってブーストがかかるのでエンジンへの負担が減り、燃費が悪くなるのを抑えられます。
スポンサーリンクスーパーチャージャーの種類とメリット・デメリット
![スーパーチャージャーのルーツ式内部とリショルム式内部](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2021/04/A7197BB3-3A1B-41FC-B7E8-354D36D26FBF-1024x683.jpg)
スーパーチャージャーの種類
車に使われているスーパーチャージャーは遠心式・ルーツ式・リショルム式などです。
遠心式は吸気側から見ると、ターボのコンプレッサーのように見えます。
ルーツ式は二つのローターが噛みあいながら回転し、圧縮はせず空気を押し出す仕組みです。
羽が2枚の2葉ルーツ式と3枚の3葉ルーツ式があります。
リショルム式は二つのローターで、内部圧縮した空気を送り出す仕組みになっています。
スーパーチャージャーのメリット
低回転からコンプレッサーが作動するので、アクセルを踏んだらすぐにブーストがかかり始めます。
ターボラグのないレスポンスの良さが特徴です。
スーパーチャージャーのデメリット
ターボよりサイズが大きくなり部品も多いので重くなりがちなため、運動性能が低下します。
高回転が苦手な構造なため、ターボに比べて最大出力が劣るのもデメリットです。
まとめ
☑過給を搭載することで排気量以上の出力・トルクを発生させることができる
☑ターボは排気ガスを利用してコンプレッサーを作動させる
☑スーパーチャージャーはエンジンの力を利用して作動させる
昔に比べ安全装置などの部品が増え、エンジンのダウンサイジング化にともない、過給機がさらに普及しています。
スーパーチャージャーはサイズが大きいことや部品が多いこと、最大出力が限られていることから、現在ではターボが主流となっているのだ。
![ショックアブソーバーとスプリングの役割](https://matatabi-carfe.com/wp-content/uploads/2023/03/B71550CA-09F2-45BB-A2C2-5D7D30E00E44-160x160.jpg)
最後まで読んでいただきありがとうございます。この後も引き続き当ブログ『またたびCarfe』でゆっくりとお過ごしください。