車の電装品には必ずヒューズと呼ばれる電気回路の保護部品が備わっています。
このヒューズが切れることが原因で電装品が使えなくことがありますが、似たような症状がでるリレースイッチの故障についてもあわせてご紹介していきます。
目次
故障かな?最初に疑うべきところとは
エンジンがかからなかったり、キーをACCにしてもまったく電気がきていないようならバッテリーあがりが予想されます。
オーディオやシガーソケットから電源をとる電装品、エアコンが作動しなかったりこれらのものがひとつだけ使えなくなったときは、それらの故障なのかな?と思うはずです。
しかし、必ずしも電装品本体の故障とはかぎりません。
まずは自分で確認してみるのもよいでしょう。
自分でできる方法として、まずはヒューズが切れていないかを確認してみよう!
またエアコンコンプレッサーや燃料ポンプ、ラジエーターを冷やす電動ファンなどはリレースイッチが壊れて通電していないことも考えられます。
ヒューズとは
自動車にかぎらずあらゆる電化製品に組み込まれていて、過電流による電装品の故障や火災防止と感電防止を目的として使用されている部品です。
車では電子機器の手前に設置されており、電気ショートなどによって過電流が流れた際には、ヒューズの中の金属エレメント部分(ヒューズエレメント)が溶断して電流を遮断します。また消耗品のため、容易に交換が可能になってます。
リレースイッチとは
小さい電流をつかって大きな電流のオンとオフをコントロールするためにスイッチユニットです。
手元の操作スイッチ保護と感電防止の目的で使用されています。電流が流れるとカチッと音がするのが特徴です。
スポンサーリンクヒューズの仕組みと切れる原因
ヒューズにはそれぞれ許容量が決められていて必ず数字かかれています。これはアンペア(A)といい電流の単位です。
その許容量を超える電流(過電流)が流れることで中の線が切れる仕組みになっています。
これにより電装品へ通電しなくなり、まるで故障でもしたかのような状態になります。
リレースイッチが壊れたときも同じような症状になりますが、こちらは目で見て確認をすることができません。
「カチッ」という音での判断は可能で、軽くたたいたりすると通電して電装品が動くこともあります。
ヒューズが切れる主な原因
管ヒューズの寿命は約10年といわれています。そのため自然と切れてしまうことがあるのです。平型ヒューズはさらに長くもちます。
その他の原因としては作業中のショートが考えられます。もしくは配線の被膜が破れ、中の導線がボディにあたることでショートしてしまったかだ。
後者が原因なら、交換したところで何度もヒューズが切れてしまうので、根本的なところを直さなければならない。
またシガーソケットからの電源だけで、許容量をこえる電装品を使い過ぎたときもヒューズ切れになってしまいますので、タコ足配線のようなことは控えることも大切です。
スポンサーリンク種類と選び方
車で使われている主な種類
上記の写真にある通り、3種類の『平型ヒューズ』と2種類の『管ヒューズ』の計5種類が主に車で使われているものです。(この他にも様々な形のヒューズも使われている)
通常、赤が10A、青が15A、黄が20Aというように色ごとに分けられています。
平型ヒューズは元々車体に取り付けられている電装品に、管ヒューズは後付けの電装品に使われていることが多い。
– 平型ヒューズのサイズ –
・平型ヒューズ…横 約19mm×縦 約20mm
・ミニ平型ヒューズ…横 約11mm×縦 約16mm
・低背ヒューズ…横 約11mm×縦 約10mm
– 管ヒューズのサイズ –
・管ヒューズ…6Φ×縦30mm
・ミニ管ヒューズ…5Φ×縦20mm
ヒューズの選び方
基本的には切れたヒューズと同じ形、数字(アンペア数)のものをカー用品店などで購入してくればOK!
管ヒューズは少し見にくいですが、金属部分に1Aや3Aなどのアンペア数がかかれています。
ヒューズの対応アンペア数が低すぎると、通電させた瞬間にまた切れます。
高すぎると過電流がながれても線が切れなくて、本体に直接過電流がながれることになるので故障の原因になります。
応急処置として低背ヒューズの代わりにミニ平型ヒューズを差すことも可能。カバーが閉まらなくなることもありますが、一時的に外したままでも問題ありません。
自分の車で使われているヒューズを、何種類かストックしておけばいつでも対処可能ですね。
確認と交換方法
平型ヒューズの交換
ヒューズボックスの場所はたいてい車内に一つと、エンジンルーム内に1~2つあるので、説明書にて設置場所を確認してください。
最近の車はヒューズボックスのカバーを開けると中にヒューズ抜きが収納されていることが多く、それを使って取り外します。
びっしりといろんな色が並んでおり、どれを外したらいいか見当がつかないときはカバーの裏をみれば判断可能。
英語で記載されていますが、同じ電装品でもメーカーによりちがう書き方をするときがあるので、こちらも説明書などで調べてください。
ヒューズ抜きが入っていないときは、先の細いペンチなどを使うといいでしょう。
あとは抜いてヒューズが切れていれば、差し替えるだけです。
POINTヒューズが入っていないところも多々あるので、分からなくならないように写真を撮るか1箇所ずつ作業しましょう。
管ヒューズの交換
主に後付けの電装品に付いていますが。みなさんがもっとも目にするものは、シガーソケットにさすタイプのものだと思います。
これは簡単に確認、交換することができます。
写真下のように、ソケットの先を左回しにすると中から管ヒューズが出てきますので、切れていれば新しいのと交換して元に戻せば終了です。
リレースイッチの交換
たいていはエンジンルームのボックス内にあります。
設置場所は説明書にて確認してください。
こちらもヒューズボックス同様にカバーの裏側にどの電装品のリレースイッチなのか書いてありますが、これも説明書で確認するとよいでしょう。
お目当てのリレースイッチが見つかったら抜いて差し替えるだけです。
引き抜く際はけっこうかたいのでがんばってください。
しかし故障かどうかは目で見ての確認はテスターを使わないとできません。それ以外でできる確認方法は電装品をオンにしたときに「カチッ」という音がするかしないかです。
正常に作動したり、しなかったりと気まぐれなときがあるので判断は慎重に(汗)
リレースイッチに関してはディーラーやカー用品店では在庫がないので、車種ごとに取り寄せとなります。自分で品番を調べればネットでも購入できます。
スポンサーリンクまとめ
☑電装品が故障だと思ったらまずはヒューズかリレースイッチを確認してみよう
☑ヒューズは寿命やショートで切れてしまう
☑切れていたら同じ形、アンペア数のヒューズと交換する
☑リレースイッチの故障判断は慎重に
電装品の故障の可能性もおおいにありますので、必ずしもヒューズやリレースイッチが原因ではありません。
自分では解決できないこともたくさんあるので、日頃からのメンテナンスや保険、ロードサービスもあわせて検討しておくと安心したドライブができるでしょう。
キュルキュル音の正体、ベルト鳴きの原因と対処法最後まで読んでいただきありがとうございます。この後も引き続き当ブログ『またたびCarfe』でゆっくりとお過ごしください。
ヒューズのアンペア数ってどうやって決めるの?
通常5A、7.5A、10A、15Aなど細かく設定がありません。
普通自動車のばあいは『消費電力(W)÷12V(バッテリー電圧)』で求めることができます。
消費電力が80Wの電装品の場合、80÷12=約6.66なので少し上の7.5Aのヒューズとなります。