右折レーンの手前にある、白いしま模様の「ゼブラゾーン」。避けて走る車もいれば、その上を通って右折レーンに入る車もいるため、どちらが正しいのか迷いますよね。
白いゼブラゾーン(導流帯)は、そこを通ったことだけで直ちに道路交通法違反になる場所ではありません。ただし、普段はしま模様を避け、道路の誘導に沿って走るのが基本です。
黄色い線で囲まれた「立入り禁止部分」や、消防署前などにある「停止禁止部分」は別の標示です。また、導流帯だから自由に駐車できるわけでもありません。
この記事では、ゼブラゾーンの意味、右折レーンへの入り方、似た道路標示との違い、事故時の過失の考え方を解説します。
※2026年10月23日に公開資料を確認。主に一般道路の右折レーン手前などにある導流帯を扱います。
目次
ゼブラゾーンとは?正式名称は「導流帯」
ゼブラゾーンは、道路上に白い斜線などで描かれた「導流帯」の通称です。車を安全かつ円滑に誘導するために設けられています。
右折レーンの手前のほか、道路が分かれる場所や、車線が減る場所などでも見かけます。車が進む方向を分かりやすくし、危険な位置や紛らわしい部分へ入り込むのを防ぐ役割があります。
右折レーン手前の場合は、早い段階で直進車が右折レーンへ入ってしまわないよう、進路を案内する意味もあります。
空いている予備の車線ではなく、車の流れを整えるための道路標示と考えると分かりやすいでしょう。
ゼブラゾーンを走行すると違反になる?
導流帯への進入そのものは禁止されていない
白い導流帯には、立入り禁止部分のように車両の進入を禁止する規制はありません。そのため、導流帯を通過したという理由だけで、直ちに違反になるわけではありません。
ただし、これは「導流帯ならどんな走り方でもよい」という意味ではありません。他車を妨げる進路変更や、周囲の安全を無視した運転まで認められるものではなく、その場所の標識・標示による規制にも従う必要があります。
通常はしま模様を避けて走る
導流帯の上を走ると、誘導に従って右折レーンへ入ってくる車と進路が重なることがあります。
相手が「しま模様の上から車は来ない」と思い込んでいると、お互いの発見が遅れかねません。先に右折レーンへ行くために、導流帯を使って車列の横を勢いよく走り抜ける行動は避けましょう。
法律上の進入禁止ではないことと、安全な走行経路であることは別です。
右折レーンにはどう入る?安全な通り方
基本は導流帯の誘導に沿って入る
通常は導流帯を避け、右折レーンへ移れる位置で安全を確認して進路変更します。
- 前方の案内標識や路面の矢印を確認し、右折レーンの位置を把握する。
- ミラーで後方を確認し、進路変更の合図を出す。
- 右後方の死角や、導流帯側から近づく車・バイクを確認する。
- 進路が空いていることを確かめ、急にハンドルを切らずに右折レーンへ移る。

ポイントは、自分が導流帯を避けていても、その上を走ってくる車がある前提で確認することです。ウインカーを出しただけで、後続車の前へ入れるわけではありません。
合図のタイミングなど、普段の運転で見落としやすいルールは、意外と知らない交通違反|歩道前の一時停止・ウインカー・追越車線の注意点でも解説しています。
意外と知らない交通違反|歩道前の一時停止・ウインカー・追越車線の注意点
右折待ちの列が導流帯まで延びていたら?
右折レーンが混雑し、待機列が導流帯まで延びることもあります。導流帯への進入自体が一律に禁止されているわけではありませんが、渋滞しているから必ず導流帯へ入る、というルールもありません。
前の車に続く前に、別の通行規制がないか、対向車や後方車の進路と重ならないか、車が収まる余地があるかを確かめてください。
判断に迷う場面では、車列の横をすり抜けて先へ出ようとせず、進める状況になるまで待ちましょう。後続車を流すためでも、無理に横へ寄せる必要はありません。
黄色い線のゼブラゾーン・停止禁止部分との違い
道路のしま模様は、すべて同じ意味ではありません。代表的な違いを整理すると、次のとおりです。
| 種類 | 見た目や設置場所の目安 | 車の通行・停止の扱い |
|---|---|---|
| 導流帯 | 白い斜線など。右折レーン手前や分岐部など | 進入自体は禁止されていないが、通常は誘導に沿って避ける |
| 立入り禁止部分 | 白いしま模様の外側が黄色い線で囲まれる | 車両は進入禁止 |
| 停止禁止部分 | 白い四角い枠と斜線。消防署などの出入口前に設置 | 前方の混雑などで区画内に止まるおそれがあるときは進入禁止 |
| 安全地帯 | 路面電車の乗降場所など。標識や標示で示される | 歩行者保護のための場所で、車両は進入禁止 |
黄色い線で囲まれた立入り禁止部分には入らない
白いしま模様が似ていても、黄色い線で囲まれた「立入り禁止部分」は導流帯とは違います。
「白いゼブラゾーンは通れると聞いたから」と、そのまま進入してはいけません。しま模様だけでなく、外側の線や周囲の標識まで確認しましょう。
白い枠でも、停止禁止部分なら信号待ちでふさがない
消防署などの前にある停止禁止部分は、緊急車両などの通り道を確保するためのものです。
通り抜けることはできますが、前方の車列が詰まり、その区画内で止まるおそれがある場合は入ってはいけません。「もうすぐ青信号になるから」と進まず、区画の先に自分の車が収まる余地ができるまで手前で待ちます。
白い線だから導流帯、と色だけで判断しないことが大切です。
ゼブラゾーンに駐車・停車してもいい?
電話や人待ちのための停車場所として、導流帯を使うのは避けましょう。
導流帯の標示そのものに駐停車禁止の効力がなくても、その場所に適用される駐停車の規制は別に判断します。例えば、次の場所は原則として駐停車禁止です。
- 交差点内と、その端から5m以内
- 横断歩道・自転車横断帯と、その端から前後5m以内
- 駐停車禁止の標識や標示がある場所
このほか、駐車禁止の規制や、道路の左側端に寄せるなどの駐停車方法のルールも関係します。「導流帯だから駐車してよい」とは判断できません。
また、しま模様の上を車やバイクが通ることもあります。広く空いて見えても、安全な待機スペースではありません。電話や休憩には、利用できる駐車場などを選びましょう。
なお、赤信号や渋滞に従って一時的に停止することは、人待ちや電話のために任意で止めることとは区別します。ただし、前述の停止禁止部分は、信号待ちで止まりそうな場合でも入れません。
ゼブラゾーンで事故が起きたら、どちらが悪い?
導流帯を走った車が必ず100%悪くなるわけでも、導流帯を避けた車に過失がないわけでもありません。
例えば、導流帯を通って右折レーンへ向かう車と、左側の車線から右折レーンへ移る車が接触した場合、進路変更した側の確認状況も問題になります。一方、導流帯を通ったことが、通行した側の過失を重く評価する事情になることもあります。
事故時には、双方の走行位置や速度、合図、進路変更のタイミング、道路の規制などを確認します。「ゼブラゾーンの事故は必ず何対何」と、場所だけで割合を決めることはできません。
自分が正しい経路を走っているつもりでも、周囲の安全確認は必要です。事故になった場合は、ドライブレコーダーの映像などを保全し、具体的な過失割合は保険会社や弁護士へ確認してください。
よくある疑問
ゼブラゾーンを少し踏んだだけでも違反?
通常の白い導流帯であれば、少し踏んだという理由だけで直ちに違反になるわけではありません。ただし、黄色い線で囲まれた立入り禁止部分などは別です。
気づいたときに慌てて急ハンドルを切らず、周囲を確認して安全に進路を整えましょう。
宮城県ではゼブラゾーンの走行が禁止されている?
古い解説には、宮城県道路交通規則第14条第4号の「道路標示にみだりに車輪をかけない」という趣旨の規定が紹介されています。
しかし、2026年10月23日に確認した宮城県警察の公開規則では、第14条第4号は「削除」とされています。 古い説明を、現在も有効な例外規定として受け取らないようにしましょう。
もちろん、この削除は導流帯の積極的な走行を勧めるものではありません。通常は誘導に沿い、その場所の規制と周囲の安全を確認して走ります。
まとめ|ゼブラゾーンは誘導に沿って走り、進路変更前に確認しよう
白いゼブラゾーン(導流帯)は、進入したことだけで直ちに違反になる場所ではありません。ただし、普段はしま模様を避け、誘導に沿って右折レーンへ入るのが基本です。
黄色い線で囲まれた立入り禁止部分には入らず、消防署前などの停止禁止部分は信号待ちでもふさがないようにしましょう。
また、自分が導流帯を避けていても、そこを通ってくる車はあります。右折レーンへ移る直前には、ミラーと目視で右後方を確認する。 このひと手間が、思い込みによる接触事故の予防につながります。


