ブレーキの異音「キーキー・ゴー」は危険?原因と対処法、点検の目安

キーキー・ゴーという異音を表現したディスクブレーキと、原因や対処法を案内する整備士ネコのラチェットくん

このサイトは『人気ブログランキング』『にほんブログ村』に掲載されています!

  ブログランキング・にほんブログ村へ

ブレーキを踏むたびに「キーキー」と鳴ったり、足元から「ゴー」と音がしたりすると、そのまま運転してよいのか不安になりますよね。

ブレーキの異音には、一時的な水分やさびによるものと、部品の摩耗・故障を知らせるものがあります。音の大きさだけで安全かどうかは判断できません。

足元の音が、必ずしもブレーキから出ているとは限りません。「ゴー」という音は、車輪の回転を支えるハブベアリングなどから出ることもあります。

まず確認したいのは、ブレーキの効きやペダルの感触に変化がないかです。この記事では、音が出る場面ごとの原因と、点検・修理を依頼する目安を解説します。

ブレーキから異音がしたら、まず緊急性を確認

効きが悪い、ペダルの感触がいつもと違う、強い振動や焦げ臭さがある場合は、運転を続けず安全な場所に停車してください。 自走で整備工場へ向かう前に、販売店やロードサービスへ相談しましょう。

音・症状が出る場面考えられる状態対処の目安
異音に加えて、効きの低下・ペダルの異常・強い振動・煙があるブレーキの故障や過熱など安全に停車し、ロードサービスなどへ連絡
金属を削るような「ガリガリ」「ゴー」が続く摩擦材の摩耗、部品の接触など走行を続けず、安全に停車して相談
ペダルを離しても「ゴー」「ウォーン」が続き、車速に応じて変わるハブベアリングの傷み、タイヤ由来の音、ブレーキ部品の接触など新しく出た音や大きくなる音は早めに点検。強い振動や走行の不安定さを伴う場合は安全に停車して相談
「キーキー」が繰り返し鳴る・鳴り続けるパッドの摩耗警告、部品の振動など放置せず、速やかに点検を依頼
雨・洗車のあと、走り始めだけ軽く鳴り、通常の制動ですぐ収まる水分やローター表面の薄いさびなど効きや踏み心地に異常がないことが前提。再発が続くなら点検
パッド交換後から音が出るなじみ不足、ローターの状態、組み付けなど交換した店舗に相談

この表は原因を特定するものではありません。同じ「キーキー音」でも摩耗警告と振動による鳴きの両方があるため、「高い音だから大丈夫」と判断しないことが大切です。

パーキングブレーキを解除しても赤いブレーキ警告灯が消えない場合などは、取扱説明書の指示に従い、走行を中止して相談してください。

ブレーキが「キーキー」と鳴る主な原因

ウェアインジケーターが出す摩耗警告音

同じ取付位置の金属片を左右で比較し、摩擦材が減ると先端がローターに接触して警告音を出す仕組みを示した図

ディスクブレーキは、タイヤと一緒に回る円盤状の「ローター」を、摩擦材の付いた「パッド」で挟んで減速します。摩擦材は使うほど減るため、交換時期を知らせる「ウェアインジケーター(摩耗警報装置)」が付いたものがあります。

音で知らせる可聴式では、パッドの金属の土台に取り付けた薄い金属片が、摩擦材の減少によってローターに接触し、振動してキーキーなどの警告音を出します。 金属片だけが単独で鳴るのではなく、回転するローターとの接触によって音が発生する仕組みです。

このときは摩擦材がまだ残っており、パッドの金属の土台そのものがローターに擦れている状態とは異なります。ただし、警告音は交換を促すものなので、「まだ摩擦材があるから乗れる」と放置してはいけません。 速やかに点検を依頼し、摩耗警告であればパッド交換が必要です。

可聴式は、ブレーキを踏んだときだけでなく、ペダルを離した走行中にも音が出ることがあります。また、走行を続けると音が出なくなる場合もあるため、警告音が消えても摩耗が解消したわけではありません。

一方、電気式の摩耗センサーは、メーター内の警告灯・表示などで知らせます。装備の有無や方式、作動する残量は車種・製品によって異なります。「音が鳴らないから残量は十分」とは判断せず、点検で確認しましょう。

摩耗警告音と、ほかのブレーキ音の違い

音が出る仕組み状態対応
可聴式ウェアインジケーターの金属片がローターに接触パッドの摩耗を知らせる警告速やかに点検し、摩耗なら交換
パッドなどの細かな振動温度や部品の組み合わせなどが関係する鳴き摩耗・故障ではないか点検で確認
摩擦材がなくなり、金属の土台がローターに接触摩耗が進んだ危険な状態走行を続けず安全に停車して相談

これらは音の聞こえ方だけでは確実に区別できません。 トヨタの取扱説明書でも、ブレーキを踏んだときのきしみ・ひっかき音について、パッド摩耗の可能性が示されています。

ブレーキパッドの摩擦材が十分に残る状態、薄くなった状態、なくなって金属の土台が露出した状態の比較

停止直前や軽く踏んだときに出る振動音

摩擦によってパッドなどが細かく振動し、その振動が周囲の部品に伝わって音になることがあります。これが、一般に「ブレーキ鳴き」と呼ばれる現象です。

音の出方は、部品の組み合わせ、温度、踏む力などで変わります。停止直前だけ鳴る、新車でも鳴る、といったケースもあります。

ただし、「軽く踏んだときだけだから故障ではない」とは断定できません。 新しく出始めた音、以前より大きくなった音、繰り返す音は点検時に伝えましょう。

シムや周辺部品の状態

パッドの裏側には、振動を抑えるために「シム」と呼ばれる薄い板が使われることがあります。シムの劣化や組み付け状態、指定箇所の潤滑状態なども鳴きに関係します。

鳴き止め整備では、音が出る条件を確かめ、必要に応じて清掃や部品の交換などを行います。パッドの残量があるからといって、グリスだけで直るとは限りません。 原因を確認したうえでの対処が必要です。

雨の日・洗車後・朝だけ音が出る原因

雨や洗車でブレーキがぬれると、摩擦面の状態が変わり、普段とは違う音が出ることがあります。また、一般的な鋳鉄製ローターには、駐車中に薄いさびが生じることがあります。

ぬれたあとの走り始めだけ軽く音が出て、通常の制動ですぐに収まる場合は、一時的な水分や表面のさびが原因の可能性があります。

ただし、次のような状態なら「雨のせい」で済ませず、点検を受けてください。

  • 音が収まらず、走行中も続く
  • 晴れた日にも繰り返す
  • ブレーキの効きが悪い、踏み心地が変わった
  • 音と一緒に強い振動が出る

洗車後の乾燥方法を取扱説明書に指定している車もあります。例えばトヨタの一部車種では、洗車後に低速走行で数回ブレーキをかけて乾燥させるよう案内しています。周囲の安全を確保し、自分の車の説明書に従ってください。

異音を消す目的で、急ブレーキを繰り返したり、長い下り坂でブレーキを使い続けたりするのはやめましょう。

「ゴー」「ガリガリ」の原因はブレーキとは限らない

「ゴー」という音だけで、ブレーキパッドの摩耗とは判断できません。 ブレーキ操作との関係や、車速による変化も点検の手がかりになります。

金属を削るような音はパッドの摩耗や部品接触を確認

金属を削るような音が続く場合は、パッドの摩擦材がなくなり、金属の土台がローターに接触している可能性があります。放置するとローターを傷め、制動性能にも影響するおそれがあります。

ほかにも、ブレーキ周辺の異物や部品の接触などで似た音が出ることがあります。音だけでは区別できないため、削れるような音が続く場合は走行を続けず、安全な場所に停車して相談してください。

ローターやホイール周辺は高温になることがあります。異物を探そうとして手を入れたり、熱さを直接触って確認したりしないようにしましょう。

ハブベアリングの傷みでも「ゴー」と鳴る

ハブベアリングは、車輪の回転を支える軸受です。傷むと「ゴー」「ゴロゴロ」「ウォーン」といった音が出ることがあり、車速やカーブでの荷重の変化によって音の大きさ・高さが変わる場合があります。ベアリングメーカーのSKFも、車速や旋回によって変化するうなり音・擦れる音などを、点検すべき兆候として挙げています。

特に、ブレーキを踏んでいなくても音が続き、車速に応じて変わる場合は、ハブベアリングも点検対象です。 タイヤ由来の走行音やブレーキ部品の接触など、別の原因もあるため、これだけで故障箇所は特定できません。

音が変わる条件点検の手がかり
ブレーキを踏むと出る・強さが変わるパッドやローターなど、ブレーキ周辺を確認
ペダルを離しても続き、車速に応じて変わるハブベアリングやタイヤ、ブレーキ部品の接触などを確認
通常のカーブ走行で強くなる・弱くなる荷重の変化で音が変わるハブベアリングなども確認

この表は原因を絞る手がかりで、確定診断ではありません。 確かめるために速度を上げたり、ハンドルを左右に振ったりせず、普段の運転で気付いた条件を整備工場に伝えてください。

新しく出たうなり音や大きくなる音は、放置せず早めに点検を依頼しましょう。強い振動、走行の不安定さ、金属を削るような音がある場合は、安全な場所に停車し、自走を続けてよいか販売店やロードサービスへ相談してください。

パッドを新品に交換したのに鳴るのはなぜ?

新品パッドでも、ローターとの接触が十分になじんでいないと、鳴きが出ることがあります。一方で、ローターの摩耗や表面の状態、シムなどの取り付けが関係する場合もあります。

そのため、交換後の音をすべて「新品だから」と片付けるのは適切ではありません。 まず交換した店舗へ、音が出る場面と、効き・振動の変化を伝えましょう。

なじみの問題なのか、再点検が必要なのかを確認し、慣らしが必要な場合は店舗や製品メーカーの指示に従ってください。自己判断で強い制動を繰り返す「焼き入れ」は行わないでください。

ブレーキパッドは何km・何mmで交換する?

交換時期は、走行距離だけでは決められません。残量と摩耗状態を確認して判断します。 市街地で停止を繰り返す場合と、ブレーキを使う頻度が少ない走行では、減り方が異なるためです。

残量の目安として、アドヴィックスセールスは摩擦材が約3mmの状態を「危険」と表示しています。ただし、これは全車共通の使用限度を定めたものではありません。車種やパッドの指定を優先し、限界まで使い切る前に交換しましょう。

点検を依頼するときは、次の点を確認すると交換の必要性を理解しやすくなります。

  • 摩擦材が何mm残っているか
  • 内側と外側、左右で減り方に差がないか
  • ローターにも傷や摩耗がないか
  • 次回点検まで使用できる見込みか、今回交換すべきか

ホイールの外から見える部分だけでは、内側のパッドの摩耗を見落とすことがあります。一部が厚く見えても、ブレーキ全体の状態を判断したことにはなりません。

異音がしたときに自分でできること・避けたいこと

音が出る条件をメモする

整備工場で症状が再現しなくても、発生条件が分かると点検の手がかりになります。

伝える項目伝え方の例
いつから出るか昨日の雨のあとから/パッド交換後から
どんな音かキーキー/シャー/金属を削るような音
どの場面か朝の走り始め/停止直前/後退時
ペダルとの関係踏むと出る/離しても続く
車速・カーブとの関係速度が上がると音が変わる/通常のカーブで強さが変わる
ほかの変化効きが弱い/ペダルが震える/焦げ臭い

録音できれば参考になりますが、運転中にスマートフォンを操作したり、危険な症状をわざと再現したりしないでください。

摩擦面に油や潤滑スプレーをかけない

ブレーキの異音に、一般的な潤滑スプレーを吹きかけるのは厳禁です。 パッドやローターの摩擦面に油分が付くと、ブレーキの効きに影響します。

整備で使う専用グリスも、種類と塗布箇所が指定されています。鳴き止め剤やクリーナーを手当たり次第に使うのではなく、整備工場で原因を確認してもらいましょう。

ブレーキフルードの補充だけで済ませない

フルード量が少ない場合は、パッドの摩耗や液漏れなどの確認が必要です。量を足すだけでは原因は解消しません。

フルードの役割や点検については、ブレーキフルードの役割と交換時期で詳しく解説しています。

ブレーキフルードの交換時期は?役割・DOT規格の違い・点検方法を解説

ブレーキ異音の点検・修理はどこに頼む?

車を購入した販売店や、普段利用している整備工場へ相談しましょう。パッド交換後に出始めた音なら、作業した店舗へ連絡すると経緯を共有しやすくなります。

見積もりでは、どの部品が原因で、清掃・調整で対応できるのか、交換が必要なのかを確認してください。パッド交換だけで済む場合と、ローターやキャリパーの整備まで必要な場合では、作業内容も費用も変わります。

効きの異常や強い削れ音があるときは、入庫のために無理に自走せず、搬送が必要か相談してください。

ブレーキの異音でよくある質問

キーキー音だけなら車検まで放置しても大丈夫?

繰り返す音や継続する音は、車検を待たずに点検してください。摩耗を知らせる音と、振動による鳴きを耳だけで確実に区別することはできません。

音が消えたら修理しなくてもよい?

雨・洗車後だけの軽い音がすぐ収まり、効きや踏み心地も普段どおりなら、一時的な現象の可能性があります。ただし、摩耗警告音は走行を続けると出なくなる場合もあります。以前から繰り返している音や、効きの異常を伴った音は、消えても点検が必要です。

ブレーキを踏んでいないのに鳴るのもブレーキが原因?

可聴式ウェアインジケーターは、ペダルを離した走行中にも音が出ることがあります。そのほか、ブレーキ周辺の部品接触に加え、ハブベアリングの傷みやタイヤ由来の音も考えられます。車速やカーブで音が変化することも、点検の手がかりになります。「踏んでいないからブレーキではない」と決めつけず、速度やペダル操作との関係を整備工場へ伝えてください。

ブレーキ周辺の部品接触の具体例としては、バックプレートと呼ばれるブレーキローターの裏側にある薄い金属製のプレートが曲がりローターと接触していたり、小石が挟まったりしていた事例もあります。

まとめ|異音は「効きの変化」と「続くかどうか」を確認

ブレーキの異音は、音の種類だけで安全性を判断できません。効きや踏み心地に異常がある場合、金属を削るような音が続く場合は、安全に停車して相談しましょう。

「ゴー」という音は、ハブベアリングなどブレーキ以外が原因のこともあります。ブレーキ操作や車速との関係も伝え、原因を確かめてもらいましょう。

雨のあとに出る軽い音でも、収まらない・繰り返す場合は点検が必要です。パッドの交換時期も、走行距離だけで決めず、残量と摩耗状態で判断します。

「音を消すこと」よりも、「安全に止まれる状態かを確かめること」を優先してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA