冬になるといつ雪が降ってもいいように、スタッドレスタイヤに交換する人が多くなります。
そもそもスタッドレスタイヤがなぜ雪道や氷道に強いのか、そして走行時にはどのような注意が必要なのでしょうか?
目次
スタッドレスタイヤってどんなタイヤ?
スタッド=鋲(びょう)と呼ばれる金属のピンのようなものが付いたスパイクタイヤに代わり主流となったのが、スタッドレスタイヤ=スタッドが無いタイヤです。
鋲で道路を傷めたり粉塵(ふんじん)を発生させず、氷雪路面を安全に走行するための冬用タイヤとして開発されました。
また冬用タイヤをウィンタータイヤ、スノータイヤとも呼びます。
サマータイヤやノーマルタイヤと呼ばれる夏用タイヤで簡単にスリップしてしまう氷雪路面でも、スタッドレスタイヤなら滑りにくく制動力を発揮するです。
スポンサーリンクスタッドレスタイヤの特徴と氷雪路に強い理由
柔らかいゴムによるしなやかさ
一番の特長が、サマータイヤに比べてトレッドゴムのコンパウンド(配合物)が軟らかいということ。
コンパウンドを軟らかくすることで低温でも硬化せず、しなやかさを保つことで氷雪路面での密着性を高くすることができます。
しかし、タイヤの摩耗が早くなり、燃費の低下や乗り心地が悪くなる傾向にあります。
深い溝・細かい溝でグリップ力の向上
見た目でスタッドレスタイヤだと判断することができ、溝が深く広い作りでブロックのトレッド面(接地面)にサイプという細かい溝が多く刻まれているのが特徴です。
新品時の溝の深さは、サイマータイヤが約8mmでスタッドレスタイヤが約10mmとなっています。
この深く幅広い横溝により雪を踏み固めて柱をつくり、蹴る抵抗を増すことでグリップ力を得ることができるのです。
これを雪柱せん断力(せきちゅうせんだんりょく)といいます。
さらにギザギザのサイプを刻むことでブロックを軟らかくして接地面を増し、氷雪を引っ掻くエッジ効果で氷雪路面でのグリップ力を高めます。
吸水性と撥水性ゴムの除水効果
スタッドレスタイヤに使われているゴムは、吸水タイプと撥水タイプの主に二種類があります。
ー吸水タイプー
ゴム表面の小さな穴で吸水したのち遠心力でその水分を飛ばします。
これにより滑りの大きな原因となる、氷とタイヤとの間にできる水膜を除去する効果があり、路面との密着性を高めます。
ー撥水タイプー
撥水性ゴムにより水分を弾くことで、タイヤを路面に密着させてグリップ力を高めます。
吸水タイプにくらべタイヤ剛性が高いため、ドライ路面で安定した走行が可能なうえ、耐摩耗性により長持ちするのが特徴です。
スポンサーリンク知らないと怖い!走行時の注意点とは
氷雪路でも注意が必要
当たり前ではありますが、スタッドレスタイヤも氷雪路面で絶対に滑らないわけではありません。
いつも以上の車間距離をとり『急加速・急ブレーキ・急ハンドル』を避けて、サマータイヤよりもマシな性能という考えで運転することが必要です。
ドライ路面では気温に注意
軟らかいゴムのスタッドレスタイヤはサマータイヤにくらべ剛性が低く、走る・曲がる・止まるという性能面で劣ってしまい、特に気温の高い夏場に履いていると危険がともないます。
最新のスタッドレスタイヤは性能も向上しているため、ドライ路面でもなんなく走ることができますが、性能を発揮できるのは気温や路面温度が7度以下であることを知っておきましょう。
サマータイヤはこの7度を下回ると固くなってグリップ力が低下するため、雪が降り始める前でも寒くなってきたらスタッドレスタイヤへ交換することをおすすめします。
ウエット路面が苦手
スタッドレスタイヤは氷雪路面でのスリップの原因となる水膜を除去する効果がありますが、雨天時のウエット路面では瞬時に大量の水を排除することができないのです。
深い溝は雪道に特化している形状なので、ウエット路面では効果を発揮できません。
そのためサマータイヤよりもはるかに制動距離が長く、高速時ではハイドロプレーニング現象が発生しやすいので注意が必要です。
スポンサーリンク寿命が短いので早めのタイヤ交換を!
効果を発揮できるのは5分山まで
サマータイヤが残り溝2割まで減るとスリップサインがでるのにたいして、スタッドレスタイヤは5割まで減るとスリップサインとは別のプラットホームという使用限界サインがでます。
プラットホームの位置や形状はメーカーごとに異なり、スリップサインの代わりにプラットホームのみのスタッドレスタイヤも多くあります。
つまり溝があっても寒い時期や氷雪路では危険な状態になってしまうということなので、寿命が短いのです。
硬くなったら要注意
軟らかいゴムだからこそ寒い時期の氷雪路面でグリップ力発揮できるため、硬くなってしまうとその効果を発揮することができません。
ゴムが硬くなる原因は経年劣化によるもので、サマータイヤの5年にくらべ3年ほどと短い期間で硬化し始めてしまいます。
夏場に日光の直接あたる場所に保管してしまうと、さらに硬化が早まってしまうため、日蔭の涼しい場所に保管するのがベストだ。
もし自分のスタッドレスタイヤの硬さが気になるのであれば、タイヤ屋さんで硬度計を使って測定することもできます。
スポンサーリンクまとめ
☑ゴムの軟らかさ・深い溝・サイプにより氷雪路面でグリップする
☑吸水・撥水により水膜を除去して密着性を高める
☑氷雪路面ではサマータイヤよりマシな性能と考えで運転する
☑サマータイヤにくらべドライ・ウエット路面での性能に劣る
☑寿命が短く、硬化やプラットホームがでたら使用限界
サマータイヤは7度以下でグリップが低下するので、雪が降る予報がなくても寒くなってきたらスタッドレスタイヤへ交換し、冬があけたらすぐにサマータイヤに戻すようにしましょう。
そして氷雪路面でスタッドレスタイヤだからと過信せずに、いつも以上に安全な運転を心がけることが大切です。
タイヤサイズの見方と表記の意味最後まで読んでいただきありがとうございます。この後も引き続き当ブログ『またたびCarfe』でゆっくりとお過ごしください。