エンジンオイルの粘度やグレードって何?【新規格オイルのSP/GF-6の特長】

エンジンオイルの粘度とグレード

普段何気なく高いオイルをいれていたり、オイルなんて安いやつでいいよと思う方もいるかと思います。

品質のいいオイルほどグレードが高く値段も高くなりますが、何がいいのだろうか。

この記事ではエンジンオイルの粘度やグレードについてご紹介していきます。

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エンジンオイルとは

容器から滴るオイル

ベースオイルに添加剤を加えて作られているのがエンジンオイルです。

そのオイルがエンジン内部を循環して、潤滑、冷却、洗浄、防錆、密封と様々な役割を果たしてくれます。

そのお陰で、エンジン本来の性能を発揮できるのです。

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どんな種類のエンジンオイルがあるの?

車用のエンジンオイルは主に3種類のベースオイルから作られています。

化学合成油

精製過程で可能な限り不純物を排除することで、粒子の大きさや形が揃っている高純度のオイルです。

低温時の潤滑性能が高いためエンジン始動性がよく、熱にも強いので劣化しにくいのが特徴。

また揮発性、酸化にも強いためエンジンオイルの役割を長いあいだ維持することが可能。

高品質、高性能なゆえ値段が高いのがデメリットです。

部分合成油

鉱物油に化学合成油を混ぜ合わせたオイルです。

通常は化学合成油の割合は大体20~30%で、割合が高くなるほど性能が上がります。

鉱物油の弱点を補っていて、性能とコストのバランスがよいのが特徴です。

鉱物油

原油を蒸留して精製されたオイルで化学合成油と比べると不純物が多く、粒子の大きさや形にバラつきがあります。

そのため熱や酸化に弱いのが特徴で、燃費やエンジン始動性にも劣りますが、値段が安価です。

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オイル粘度とは

オイル粘度のかかれたキャップ

お店でオイル交換をする際に「0w-20」や「5w-30」といった数字を見かけたことはないだろうか?

これはオイル粘度といいオイルの硬さを数値で表したもので、粘り気といえば分かりやすいでしょう。

たいていは車ごとにメーカー推奨のオイル粘度が決まっています。

そのためお店ので交換しているときは、スタッフが地域や季節にあった粘度を選んで提案してくれるので、気にしたことがない人も多いでしょう。

オイル粘度の見方

数字が低いほどサラサラ高いほどドロドロで粘りがあります。

それでは粘度表記の見方を確認していきましょう。

エンジンオイルの粘度の見方

低温粘度

WはWinter(冬)を表していて、数字が小さいほど低温時に柔らかくエンジン始動性がよい

高温粘度

数字が大きいほど高温時に硬さを保つことができ、油膜が切れにくい

油膜とは
エンジン内部の金属同士の摩耗を防ぐために、部品の表面にはられたオイルの膜

だとしたら、とりあえず0w-50なんてのを入れておけば、いいとこ取りじゃない?

と思うかもしれませんが低すぎても高すぎてもダメなのです。

抵抗の変化で燃費の悪化やエンジン本来の性能がだせないので、季節や使用環境にあったオイルを入れるようにしましょう。

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品質規格の意味

エンジンオイルの性能であるグレードは数字やアルファベットで示されていて、これを品質規格といいます。

普段私たちが最も目にするAPI規格ILSAC規格いうものについて見ていきましょう。

API
規格
SP SN SM SL SJ SH
ILSAC
規格
GF-6 GF-5 GF-4 GF-3 GF-2 GF-1
  高←         →低

API規格ではSの後ろのアルファベットがXに近いほど高グレードで、SA~SPまで13段階の規格があります。(2020年5月現在)

ILSAC規格では数字が大きくなるほど高グレードとなります。

また「SPとGF-6」、「SNとGF-5」・・・と規格による表記は違うものの、それぞれ同グレードとなっています。

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最高グレード「API SP / ILSAC GF-6」の特長

2010年以降はGF-5(SN)が最高グレードのオイルに位置していましたが、2020年5月よりGF-6(SP)という次世代の性能規格が施行されました。

これは直噴ターボエンジンなどのダウンサイジング化された最新エンジンに対応するためのオイルが必要だったからです。

GF-5(SN)と比べてGF-6(SP)では以下のような改良・変更されました。

  • 省燃費性の向上
  • LSPI(低速早期着火)の防止
  • タイミングチェーン摩耗防止性能

ダウンサイジングターボエンジンなどは低速時に激しい異常燃焼が発生しやすく、これをLSPI(低速早期着火)スーパーノッキングと呼びます。

メーカー推奨オイル以外を入れることもある

推奨されているオイルを入れていれば普通は間違いないのですが、普通じゃないこともあります。

走行距離が多い車、年式が古い車はエンジン内部の部品が摩耗したり、ゴムが硬くなってシールとしての役割が低下してる場合があります。

オイルが燃えて減りやすい車がそうでしょう。

そんなときはオイル粘度を高くしてみると減りにくくなることもあるのです。

普段0w-20だったら5w-30に変えたりするということです。

最後に

オイル交換の際に、メーカーや化学合成油、部分合成油、鉱物油といろいろあり、どれを選んでいいのか分からなく迷ったことがあるとは思います。

基本的には街乗り、高速道路を走る程度なら、部分合成か鉱物油でいいと思います。車好きやスポーツ走行、高性能エンジンだったら化学合成をおすすめします。

店員さんに聞けばアドバイスしてくれるだろうが、知識を身につけることでお気に入りのオイルを見つけられるかもしれません。

エンジンの調子を意識することで、ちょっぴりでも運転が楽しくなる人が増えると嬉しいです。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。この後も引き続き当ブログ『またたびCarfe』でゆっくりとお過ごしください。

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