VICSとは?VICS WIDE・ETC2.0との違いや料金、渋滞情報の仕組みを解説

渋滞情報と迂回ルートを表示したカーナビを案内するラチェットくん

このサイトは『人気ブログランキング』『にほんブログ村』に掲載されています!

  ブログランキング・にほんブログ村へ

カーナビに表示される「VICS」の文字。渋滞情報に関係する機能だと知っていても、「何が分かるの?」「利用料金はかかる?」「ETC2.0とは別のもの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

VICS(ビックス)は、渋滞・通行止め・事故などの道路交通情報をカーナビへ届けるシステムです。 対応するカーナビは、その情報を地図に表示したり、ルート案内に活用したりできます。

この記事では、VICSの基本から、VICS WIDEとの違い、ETC2.0との関係、情報が表示されないときの確認方法までを紹介します。

VICSとは?カーナビに道路交通情報を届ける仕組み

VICSは「Vehicle Information and Communication System」の略で、日本語では「道路交通情報通信システム」と呼ばれています。

警察や道路管理者などから集められた交通情報をVICSセンターが処理・編集し、FM多重放送や道路上の通信設備を通じてカーナビへ届けます。実際に走る車から得たデータも活用されています。

ここで押さえておきたいのは、VICSは情報を届ける仕組みであり、その情報を使って経路を計算するのはカーナビ側という点です。同じVICS情報を受信しても、機種や設定によって案内ルートは異なります。

VICSで分かる主な情報

情報の種類確認できる内容
渋滞情報道路の渋滞・混雑・順調の状況
所要時間情報主要地点までの移動にかかる時間
交通規制情報通行止め、車線規制、速度規制など
交通障害情報事故、故障車、路上の障害物など
駐車場情報情報提供対象の駐車場やSA・PAの満車・空車など

受信方式やカーナビの対応機能によっては、気象・災害に関する情報も確認できます。すべての道路や駐車場の状況を把握できるわけではありません。

VICSの料金は?毎月の利用料はかかる?

FM多重放送でVICSを利用するために、毎月の利用料や携帯回線の通信料を別途支払う必要はありません。

VICSセンターが案内している視聴料330円(税込)は、対応カーナビの本体価格に含まれています。VICS WIDEも同様です。ただし、対応する機器の購入費や、必要に応じた取り付け費用はかかります。

また、カーナビメーカー独自の通信型交通情報サービスは、FM多重放送のVICSとは別です。通信サービスの契約料や地図更新料まで無料になるわけではないため、費用を確認するときは分けて考えましょう。

VICS WIDEとは?従来のVICSとの違い

VICS WIDE(ビックスワイド)は、FM多重放送で届けられる情報を充実させたサービスです。利用にはVICS WIDE対応のカーナビが必要です。

従来のVICSが付いているからといって、VICS WIDEの機能まで使えるとは限りません。取扱説明書やメーカーの仕様表で「VICS WIDE対応」の記載を確認しましょう。

一般道路の所要時間をルート選びに活用できる

VICS WIDEでは、一般道路の「リンク旅行時間」を提供します。これは、交差点間などの一定区間を通過するのにかかる時間のことです。

道路が混んでいるかどうかに加えて、「その区間を通るのに何分かかるか」が分かるため、カーナビが複数ルートの所要時間を比較する材料になります。

対応機種では、FM多重放送だけでも渋滞を考慮した自動ルート案内が可能です。ただし、再探索の条件や案内方法はカーナビによって異なり、必ず渋滞を避けられるわけではありません。

大雨や特別警報、イベントによる規制も確認できる

VICS WIDEには、大雨のエリアや特別警報などを知らせる機能もあります。

たとえば大雨エリア情報では、降雨強度50mm/h以上の大雨が発生しているエリアを地図上に表示します。イベントに伴って予定されている交通規制のエリアを知らせる情報も提供されています。

表示できる情報や画面の出し方は機種によって異なります。ナビに大雨エリアが表示されていなくても、走行先に危険がないという意味ではありません。現地の天候や規制を優先してください。

2025年4月から「VICSプローブ活用サービス」が本格運用

VICSの情報を補う仕組みとして知っておきたいのが、**2025年4月に本格運用へ移行した「VICSプローブ活用サービス」**です。

「プローブ情報」とは、道路を走る車から集めた位置・速度・通過時刻などのデータのこと。道路側の感知器だけでは分からなかった場所の交通状況を補うために使われています。

このサービスは全国を対象に提供されており、利用のために新たな登録や設定、機器の追加を行う必要はありません。現在利用しているVICS/VICS WIDE対応カーナビで情報を受け取れます。

ただし、利用できる内容には違いがあります。

カーナビの対応プローブ情報の主な活用内容
VICS対応渋滞・混雑・順調といった交通状況の情報を補完
VICS WIDE対応上記に加え、区間や交差点の進行方向別の所要時間も活用

「直進は流れているけれど、右折に時間がかかる」といった違いも、対応するナビのルート選びに役立ちます。一方で、十分な走行データが得られない道路では情報が表示されないこともあります。

VICSを受信する3つの方法

FM放送塔、一般道路の光ビーコン、水平アームの先にアンテナを備えた高速道路のITSスポットを比較したイラスト

VICSの主な受信方法は、FM多重放送・光ビーコン・電波ビーコン(ETC2.0)の3種類です。

受信方法主な特徴利用に必要なもの
FM多重放送放送エリア内で、その都道府県や周辺の情報を受信FM-VICS対応カーナビ・受信設備
光ビーコン主に一般道路で、進行方向などの情報を受信対応ナビと光ビーコン受信機能
電波ビーコン(5.8GHz帯)/ETC2.0主に高速道路で、広域の交通情報などを受信ETC2.0対応車載器。ナビ表示・連携には対応するナビとの接続も必要

FM多重放送:普段の渋滞確認に使う基本の方式

NHK-FMの放送電波に交通情報を重ねて送る方式です。VICS WIDEも、このFM多重放送を利用します。

携帯電話の回線を使わずに情報を受信できますが、山間部や建物の影など、電波条件によって受信できない場所もあります。

光ビーコン:主に一般道路で情報を受信

光ビーコンは、主に一般道路に設置された設備から情報を受け取る方式です。進行方向の前方約30km、後方約1kmの道路交通情報を提供します。

ここでいう距離は「情報の対象になる道路の範囲」です。その距離だけ離れた場所から直接通信できるという意味ではなく、設置地点付近を通過するときに受信します。

電波ビーコン:現在はETC2.0の5.8GHz帯を利用

現在の電波ビーコンは、主に高速道路のITSスポットと呼ばれる設備を利用します。進行方向の前方約1,000kmにわたる高速道路などの広域情報を提供し、長距離移動のルート選びや安全運転を支援します。

旧方式の2.4GHz帯電波ビーコンによる情報提供は、2022年3月31日に終了しました。 現在の5.8GHz帯/ETC2.0とは区別してください。

VICS WIDEとETC2.0は何が違う?

VICS WIDEはFM放送を使った情報サービス、ETC2.0は道路側設備との通信によって料金収受や運転支援などを行う仕組みです。 名前が違うだけの同じ機能ではありません。

比較項目VICS WIDEETC2.0
情報の受信方法FM多重放送ITSスポットとの5.8GHz帯通信
交通情報の特徴一般道路を含む地域の交通情報や大雨エリア情報など高速道路を中心とする広域情報や安全運転支援情報など
必要な機器VICS WIDE対応カーナビETC2.0対応車載器。ナビとの連携には適合する組み合わせが必要
ETC料金所の通過VICS WIDEの機能ではできないETCカードなど必要な利用条件を整えて利用

普段の道路の渋滞情報を確認したいなら、まずは手持ちのカーナビがVICS WIDEに対応しているかを確認しましょう。高速道路の広域情報やETC2.0の支援機能も利用したいなら、車載器とナビの適合を確認する、という順番で考えると整理しやすくなります。

通常のETC車載器だけではETC2.0の情報サービスは利用できません。また、ETC2.0車載器を取り付けただけで、どのカーナビにも情報が表示されるわけではありません。ナビ非連動の対応車載器では、音声による情報提供を利用する形になります。

ETC2.0の機能や通常のETCとの違いについては、ETC2.0とは?ETCとの違い・割引・おすすめ車載器を解説の記事で詳しく紹介しています。

ETC料金所を背景に、車載器とアンテナを整備士ネコのラチェットくんが紹介するイメージ ETC2.0とは?ETCとの違い・割引・おすすめ車載器を解説

VICS情報が表示されない・更新されないときの確認方法

表示が出ないときは、すぐに故障と決めつけず、次の順に確認しましょう。設定操作は安全な場所に停車してから行ってください。

  1. 対応機能を確認する
    取扱説明書で、FM-VICSやVICS WIDEへの対応を確認します。光ビーコンやETC2.0の情報には、それぞれ対応機器が必要です。
  2. 受信設定と表示設定を確認する
    VICSの受信が有効か、渋滞表示がオフになっていないか、一般道・高速道路の表示対象が適切かを確認します。FM放送局の選択は「オート」が基本です。
  3. 電波の届きやすい場所で待つ
    トンネルや建物の影などでは受信が不安定になります。受信に5〜10分程度かかることもあるため、起動直後だけで判断しないようにしましょう。
  4. アンテナやメンテナンス情報を確認する
    どこへ移動しても受信できない場合は、アンテナの接続や機器側の不具合も考えられます。VICSセンターの休止情報も確認し、改善しなければナビのメーカーや販売店へ相談してください。

古いナビで特定の道路だけ表示されない場合は、地図データ側の更新が関係することもあります。地図更新の提供状況をメーカーに確認しましょう。

VICSのよくある疑問

VICSがあれば必ず渋滞を避けられる?

必ず避けられるわけではありません。事故が起きた直後や、迂回路まで混んでいる状況などでは、別の道を選んでも時間がかかります。

VICSは、渋滞回避や到着時刻の見通しを立てるための判断材料として活用しましょう。

情報は何分ごとに更新される?

FM多重放送のVICS情報は5分間隔で更新されます。ただし、情報の収集・処理・受信・表示には時間がかかるため、今この瞬間の道路状況と完全に一致するものではありません。

画面の時刻表示は交通情報の時点を確かめる目安です。現地の標識や交通規制を優先してください。

「VICSが終了した」と聞いたけれど、もう使えない?

VICS全体が終了したわけではありません。

2022年には、旧2.4GHz帯電波ビーコンの情報提供終了と、FM多重放送の渋滞情報の伝送方式統一が行われました。現在もFM多重放送、光ビーコン、ETC2.0による情報提供は続いています。

非常に古いカーナビを使っている場合は、メーカー名・型番・製造時期を確認して、対応状況をメーカーやVICSセンターへ問い合わせましょう。

まとめ:まずはカーナビの対応機能と設定を確認しよう

VICSは、渋滞や事故、通行止めなどの情報をカーナビに届ける仕組みです。VICS WIDE対応機種なら、一般道路の所要時間や大雨エリア情報なども活用できます。

まずは手持ちのナビが何に対応しているかを調べ、VICSの受信・渋滞表示・ルート探索の設定を確認してみましょう。普段はナビを使わない道でも目的地を設定すると、交通情報を考慮した案内を活用しやすくなります。

高速道路で使う機能を充実させたい場合は、ETC2.0との連携も確認するとよいでしょう。

ETC料金所を背景に、車載器とアンテナを整備士ネコのラチェットくんが紹介するイメージ ETC2.0とは?ETCとの違い・割引・おすすめ車載器を解説

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA