ブレーキフルードの役割と交換時期【ベーパーロック現象とは】

ブレーキフルードの役割と交換時期

走る、止まる、曲がるという車の三大要素のうちの、最も重要な『止まる』ために必要不可欠なのがブレーキです。

そして車で大事な役割をはたすオイルの一つが、ブレーキシステムに欠かせないブレーキフルードです。

この記事では、意外と軽視しがちだが重要なブレーキフルードの役割から特有のトラブルまでご紹介していきます。

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レーキフルードの役割

粘度の高い液体

ブレーキペダルからの力を増幅したのち、油圧に変えて各車輪のブレーキ装置のピストンを押し出します。

この油圧制御をするのに使われているのがブレーキフルードです。

エンジンオイルなどと同じオイル(油)には変わりありませんが、使用目的による呼び名として作動油のことをフルードといいます。

ではピストンが押し出されることでどう作用するのでしょうか?

ディスクブレーキの場合はブレーキパッドで回転するローターを挟むことで四輪のタイヤにブレーキをかけることができます。

ドラムブレーキは主に後輪に搭載されており、ブレーキシューでドラム内側から押し付けてブレーキをかけます。

筆者:ゆうYuu

作動油とは油圧装置で動力を伝達する目的で使われているオイル(油)です。

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レーキフルードの交換時期と点検方法

ブレーキフルードのリザーブタンク

ブレーキフルードの交換時期

ブレーキフルードの交換時期は2年に1回です。

車検毎に交換しておけばOKですが、年間の走行距離が10,000kmを超えたりスポーツ走行する人は1年に1回交換するのがおすすめです。

液量と色の点検

ブレーキフルードが入ってるリザーブタンクを確認することで、フルードの量と劣化具合がある程度わかります。

またサイドブレーキを解除しても、警告灯が消えない場合はブレーキフルードが不足している可能性があります。

STEP.1
リザーブタンクの位置を確認
・ボンネットを開けて運転席の前あたり
・右ハンドルなら右側、左ハンドルなら左側
・室内の運転席前方のパネル内
STEP.2
色で劣化具合を判断
・一般的なブレーキフルードは新品時は透明に近い黄色で、劣化してくると茶褐色に変色する
・色がくすんでるようならすぐに交換しよう
STEP.3
量が適切なのか
・水面が「MAXとMIN」もしくは「UPPERとLOWER」の間にあるか
・通常は上の線ぴったりなので、タンクつなぎ目と重なって見にくい時がある

通常は量が減ることはないので、下線(MIN、LOWER)以下になっていたらピストンやホイールシリンダーからにじみ漏れがある可能性がありますので、車屋さんや整備工場で点検してもらうようにしましょう。

また、スポーツ走行をすると横Gによりリザーブタンクのキャップが劣化してる古い車などは漏れることで量が減ってしまうこともあります。

その際は補充すればOKです。

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類による違い

7本の瓶に入った黄色い液体

ブレーキフルードの特徴

作動油として使われているため圧力のよる体積の変化が少なく、低粘度で低温にも高温にも強いという特徴があります。

ですが、主成分であるグリコールには吸湿性があり空気中の水蒸気を吸収するという性質があるのです。

これにより年月が経つと水分を含んで、高温に強いブレーキフルードの沸点が低くなってしまうのだ。

沸点が低くなると、この後に書くベーパーロック現象になりやすくなってしまう。

DOT規格での違い

ブレーキフルードにはエンジンオイル同様に環境や目的にあった種類があります。

国内で一般的なのがアメリカが定めているDOT規格というもので、日本のJIS規格のようなものです。

主に使われているのがDOT3DOT4DOT5.1の3種類。

数字が高くなるほど沸点も高くなりますが、吸湿性も高くなります。

規格ドライ沸点ウェット沸点用途
DOT3205℃以上140℃以上小中の排気量車
DOT4230℃以上155℃以上大排気量車、スポーツ走行用
DOT5.1260℃以上180℃以上寒冷地用、スポーツ走行用

DOT5というのもありますが、これは特殊車両に使用されています。

JIS規格での違い

日本ではJIS規格というものがあり、BF-〇で表記されますがそれぞれDOT規格と同じ性能になります。

  • BF-3 = DOT3
  • BF-4 = DOT4
  • BF-5 = DOT5.1
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レーキの使いすぎに注意!ベーパーロック現象とは

べーパーロック現象とは

よく聞くのが「ペーパーロック現象」という言い間違えです。

正しくはーパー(Paper=紙)でなくーパー(Vapor=蒸気)なので、間違えて言っていたと思うと恥ずかしいですね。

ゆうYuu

という、筆者もずっと間違えてペーパーロック現象と言っていました。恥ずかし~!笑

このベーパーロック現象とはいったいどういうものなのでしょうか。

これは、山道や峠道などの長い下り坂やスポーツ走行でブレーキを多用しすぎて起こることが主な原因です。

止まるための制動力がなくなってしまい事故につながり、大変危険なのだ。

ブレーキは摩擦を利用しているため、摩擦熱がブレーキフルードに伝わり、沸点を超えることで水のように沸騰してしまいます。

みなさんもご想像の通り、沸騰することで気泡が発生します。

ブレーキペダルを踏んで油圧をかけても、この気泡が潰れてピストンまでうまく圧をかけることができなくなりブレーキが効きにくくなるという現象が生じてしまうのです。

未然にを防ぐためには

ペーパーロック現象を防ぐ方法としては、下り坂が続く場所ではなるべくフットブレーキを使用せず低速ギアでエンジンブレーキを使用することです。

MT車(マニュアル車)ならこれが容易にできますが、AT車(オートマ車)ならどうでしょう?

AT車の場合はシフト操作でMTモードで2速か3速に固定にしたり、「O/DスイッチをOFF」、「S」、「B」などのモードにすることで減速することできます。

もしくはブレーキを踏み続けないようにして、ポンピングするように断続的にブレーキを踏むようにすることです。

これをポンピングブレーキといいます。

べーパーロック現象になってしまったと思ったら

ブレーキに効きがいつもより悪いと感じたら、すぐに路肩へ停車してハザードを付け、これ以上熱をもたないように冷ましましょう。

しかし、一度沸騰して気泡ができてしまうと元の状態に戻ることはないので注意してください。

その後はすぐに車屋さんなどでブレーキフルードを交換して気泡を抜くようにしましょう。

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とめ

☑ブレーキフルードとは油圧により各車輪にブレーキをかけるためのオイル(油)
☑交換時期は基本的に2年に1回
☑用途によりフルードの種類が変わる
☑長い下り坂ではベーパーロック現象にならないように、エンジンブレーキなどを活用する

車検ごとにブレーキフルード交換をしていれば忘れることなく安全だが、走行距離が多い車やスポーツ走行する車は特に点検を忘れないように心がけましょう。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。この後も引き続き当ブログ『またたびCarfe』でゆっくりとお過ごしください。

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