今では高級車に装着される事が多いのですが、元々は身体障害者の方のために開発がされたというのは、あまり知られていない。
ランフラットタイヤという言葉は聞いたことはあるけど、いまいちどんなタイヤか分からないという人も多いと思います。
この記事では、ランフラットタイヤとはどんなタイヤなのか、なぜいまいち普及しないのかをご紹介していきます。
目次
ランフラットと呼ばれている理由
ランフラットタイヤとはパンクして空気がなくなっても、潰れず走行できるタイヤです。
通常のタイヤがパンクすると
皆さんがご存知の通り、釘などが刺さってしまうと通常のタイヤは空気が抜けて潰れてしまいます。
潰れた状態で走り続けると、タイヤの性能を発揮できなくなり危険なだけでなく、ホイールを傷つけ歪みの原因になってしまうのだ。
また、パンクに気づかず走り続けることでタイヤのサイドウォールが破壊されてしまい、パンク修理はできたとしても再使用することはできません。
ランフラットタイヤがパンクすると
サイドウォールのゴムが強化されているタイヤがほとんどですが、扁平の高いタイヤでは中子(なかご)というリング状のものでサイドをささえています。
このため、パンクして空気が抜けてもこの補強ゴムが車の重量を支えてくれるため、タイヤが潰れないで走行が可能となります。
スポンサーリンク万能ではない!ランフラットタイヤの注意点とは
ランフラットタイヤにすれば空気圧点検も必要なくなるわね!
確かに空気が抜けても潰れず走行できますが、そうゆう訳にはいきません。注意点もあるのです!
走行可能な距離が決まっている
パンクして空気がなくなったあと、いつまでも走行できるわけではないのです。
日本ではISO規格という国際規格を採用しています。
そのためタイヤの空気圧がゼロの状態で速度が80km/hで80kmの距離を走ることが可能となっています。
これだけの距離を走れれば、スペアタイヤに交換しなくても修理工場などへ行くことができるのです。安全な場所まで移動ができると考えておいたほうがよいでしょう。
事実上スペアタイヤは必要ないとされていますが、バーストなど万一のこともあるのでスペアタイヤは積んでおくことをおすすめします。
パンク修理ができない
サイドウォールが潰れないからといっても、少しずつ補強のゴムが破壊されながら走行するため限界があります。
そのためランフラット走行してしまった場合は再使用ができなくなってしまいます。
パンク修理をすることは物理的に可能ですが、たいていはランフラット走行をしているため、安全上でパンク修理ができないことが多いです。
逆をいえば、ランフラット走行前に修理すれば再使用が可能ということだ。
通常のタイヤ、ランフラットタイヤ共に側面(サイドウォール、ショルダー)がパンクした際は修理不可能です。
スポンサーリンクなぜ普及しないのか?
こんなに便利なランフラットタイヤですが、なぜ普及しないのでしょうか?
TPMSを取り付ける必要性がある
TPMSとはタイヤ・プレッシャー・モニタリング・システムの略称でタイヤ空気圧監視システムともいう。
これは全てのホイールにセンサーを取り付け、空気圧を車内でモニタリングして警告してくれるものです。
ランフラットタイヤは潰れにくく見た目では分かりにくいので、気づくのが遅れて急激にタイヤの性能がおちます。
日本では義務化されていないものの、ランフラットタイヤを使用する際はTPMSを装着するべきなのです。
簡単に取付けができるバルブキャップ式の社外品もあるので、通常タイヤでも車内で空気圧を管理したいという方におすすめです。
一般的なタイヤより費用がかかる
TPMSの費用に加えタイヤ交換の際も、センサーやタイヤを傷つけるリスクにより工賃も通常より高く、取り扱っている店舗も限られてきます。
またランフラットタイヤ自体も生産数が少なく、ゴムが強化されていることから、通常より高い値段設定になっているのだ。
タイヤサイズの選択肢が少ない
販売されているランフラットタイヤの種類が少なく、選べるサイズが限られてしまいます。
必然的に取り付けることができる車種が決まってくるのです。
そしてスタッドレスタイヤの種類はさらに少ないのだ。
その他のデメリット
ランフラットタイヤの構造上、通常のタイヤよりどうしても硬くなり重さが増すため、乗り心地が悪くなり車の運動性能が低下してしまいます。
重くなるということは、燃費も多少は下がるということです。
ランフラットタイヤは便利で安全なだけでなく、このような多数のデメリットもあるのです。
近年のロードサービスの出動の理由は、バッテリーあがりについでパンク、バーストなどのタイヤトラブルが二位となっています。
このことからもタイヤに関心がない人が増えているのも、普及しない理由の一つだろう。
ランフラットタイヤの見分け方
パッと見では通常のタイヤと見分けがつきませんが、タイヤ側面に表記があります。
ですが、表記の仕方が統一されていないので注意が必要です。
- 国際規格ISOのランフラットマークは上記写真(真ん中)のようなマークです
- ブルヂストン…RFT
- ミシュラン…ZP
- ピレリ…r-f
- ダンロップ…DSST
- グッドイヤー…EMT
- コンチネンタル…SSR
- 横浜ゴム…ZPS
- 東洋ゴム…TRF
タイヤサイズに表記される場合は『205/55 RF16』のように、この位置にFが書かれています。
スポンサーリンクまとめ
☑ランフラットタイヤはパンクしても潰れずに80km/hの速度で、80kmの距離を走れる
☑サイズ選択肢の少なさ、乗り心地や運動性能の低下、費用面でのデメリットも多い
☑空気圧への関心が低いと思われるタイヤトラブルが多い
☑メーカーごとに表記が違うものもあり、通常のタイヤと見分けがつきにくいの
やはり、ランフラットタイヤは高級車だけにとどまってしまうのか。
少なくともタイヤの空気圧は本来、車を運転する人全員が意識していかないといけないはずなのは確かだ。
スタッドレスタイヤが氷雪路面に強い理由【走行時の注意点とは!?】最後まで読んでいただきありがとうございます。この後も引き続き当ブログ『またたびCarfe』でゆっくりとお過ごしください。