夏に近づくにつれ暑くなりますが、車内はそれ以上に暑くなりますよね。そんなときは冷房をつけると思いますが、いつまで経ってもまったく冷えた風が出てこないなんて経験があるかたもいるかと思います。
冷房をかけたけどいつまでたっても冷えないときは、エアコンガス不足だけでなく、他の理由も考えられます。
この記事ではカーエアコンの仕組みと、冷えないときの様々な原因をご紹介していきます。
目次
カーエアコンの冷房がでる仕組み
冷たい風がでる仕組み
カーエアコンには気体状のエアコンガスという冷媒が封入されています。
エアコンスイッチ(AC)をオンにすると、コンプレッサーが回り圧縮することで高温高圧になり、エアコンガスの液状化が始まります。
コンデンサー→レシーバータンクを経由後、不純物が除去され低温高圧の液体冷媒になります。
さらにエキスパンションバルブで霧状になり低温低圧になる。
そして室内のエバポレーターに送りこまれる際に、液体から気体に戻ろうとする蒸発時の気化熱で空気が急激に冷えるのです。
こうして冷えた空気を、ブロアファンで室内に送り込む仕組みとなっています。
ハイブリッドカーや電気自動車などでは、電動コンプレッサーや冷暖房兼用の家庭用エアコンと同じ原理のヒートポンプエアコンによって冷たい空気を作り出しています。
カーエアコンの暖房の仕組み【A/Cスイッチで曇りを一発解消】冷房は燃費が悪くなるってホント?
カーエアコンをつけると、燃費が悪くなるのは半分本当で半分嘘です。
というのもエンジンの力を利用している車と、電気を利用している車があるからです。
エンジンの力を利用しているコンプレッサーは、よりたくさんの燃料を消費してエンジンの回転力をあげなければならないので、結果的に燃費は1割ほど悪くなるといわれています。
一方の電動コンプレッサーはEV・ハイブリッド車やアイドリングストップ車が普及し始めて知られるようになってきました。
電気で作動するため燃費にほとんど影響しませんが、コストが高いのがデメリットです。
スポンサーリンクエアコンガスの点検と補充
そもそもエアコンガスはまず減ったりすることはありませんが、ホースや結合部がキズついたり劣化すると、徐々に漏れてしまうことがあります。
エアコンガスの点検方法
まずはエアコンスイッチをオンにしてから確認してください。
エンジンルーム内にあるサイトグラスというのぞき窓でエアコンガスが適量なのか判断することが可能です。
しかしながら、最近の車はこのサイトグラスが無いことが多くなってきました。
その際は、お店などでマニホールドゲージという点検器具を使いチェックする必要があります。
エアコンが効かないと思ったら、まずはガス量が適正かどうかを確認しましょう。
エアコンガスの補充
真空引きをして空気を完全に抜いてからエアコンガスを入れることが理想なので、基本的にお店で専用器具を使用した作業をしてもらうとよいでしょう。
カーエアコン用の冷媒にはR-12とR134a(HFC-134a)とR1234yfの三種類のガスがあります。
旧車にはR-12が使われていますが、環境問題の影響で現在ではR134aよりさらに環境に優しい冷媒であるR1234yfが使われるようになってきたのです。
それぞれにあったエアコンガスを入れなければ故障の原因になってしまいますので注意!
冷房が効かない他の原因
エアコンガスを充填しても、調子が悪かったり冷えないときは他に原因があるかもしれません。
エアコンパネルまわり
まず大前提として、A/Cスイッチをオンにしていないと、コンプレッサーは駆動しないので確認してみましょう。実はこれ、意外と多いミスなんですね。
もしくは、外気が暑すぎて冷えにくくなってるかもしれないので、内気循環に切り替えてみてください。
アナログ式エアコンの場合に多いのですが、スイッチの接触不良やパネル裏のワイヤー外れなども考えられます。
エアコンフィルター(エアエレメント)の詰まり
外気からの空気を室内に取り込むときに、エバポレーターの手前で埃や花粉、虫などを除去して空気をキレイにする役割があります。
エアコンフィルターの交換の目安は10,000kmもしくは1年なので、定期的に交換してあげましょう。
これを怠って何年も放置すると、詰まりを起こして風が弱くなってしまいます。
他のトラブルとしてカビによる異臭がし、エバポレーターの洗浄が必要な場合もでてきます。
最悪の場合はブロアファンへ負担がかかり、故障すると風が室内に送り込まれなくなります。
ブロアファンは修理費もかかるので、できれば避けたい故障ですね。
リレーの故障
リレーとは小さい電流で大きい電流のオンオフをコントロールするためのスイッチで、感電防止を目的としても使われています。
このエアコンリレーが故障してしまうと、電流が流れずコンプレッサーが作動しなくなるので、空気を冷やすことができなくなるのです。
リレーを軽く叩くと通電しコンプレッサーが作動することもあったり、気まぐれで通電したりしなかったりすることがあるため気づきにくい。
まずは、コンプレッサー故障を疑う前にリレーの故障を疑ってみるといいでしょう。
もしリレーを確認せずに正常なコンプレッサーを交換してしまうと、症状が直らないうえに高額な修理費がかかってしまいます。
コンプレッサーの故障
エンジンのクランクプーリーとエアコンコンプレッサーのプーリーはゴムベルトで繋がれています。
エアコンスイッチを入れることで、マグネットクラッチが繋がりコンプレッサー本体が回転しはじめるという仕組みです。
このマグネットクラッチが故障することで、コンプレッサーにエンジンの力が伝わらなくなってエアコンが冷えないという事態が起こるのだ。
エンジンルーム内を見て、エアコンをオンにしても上記写真部が回転しないようなら壊れている可能性があります。
叩いたりするとマグネットクラッチが繋がることがありますが、故障していることには間違いありません。
またコンプレッサー内のオイルが漏れてしまうと、焼き付きをおこして故障してしまうこともあります。
スポンサーリンクまとめ
☑ガスが不足しているとエアコンが冷えなくなる
☑サイトグラスによりガス量を点検することができる
☑エアコンフィルターの交換の目安は10,000kmもしくは1年
☑コンプレッサー故障より先にリレー故障を疑おう
車内で熱中症をおこしてしまうこともありますので、カーエアコンがしっかり冷えるように前もって点検整備しおくことが大事です。
オーバーヒートするのは車だけでなく、人間も一緒なのです。
オーバーヒートした時の対処法と原因【エンジンは止めた方がいい?!】最後まで読んでいただきありがとうございます。この後も引き続き当ブログ『またたびCarfe』でゆっくりとお過ごしください。